Sweet Valentine！

14日　PM23：30


「コレ美味しいな。」

石川は岩瀬が用意してくれていたチョコレート味のリキュールがいたく気に入ったようで…

「そうですね。俺も初めて飲みましたが美味しいです。」
「うん。コレ好きかも…」
「よかったです。悠さんに気に入ってもらえて。」

そう言って岩瀬はニッコリと笑う。
その笑顔を見ながら石川は恋人の準備のよさに感心する。

『一体、何時の間にこういう事の準備をするんだろう？
　何時も俺と一緒にいて、大体の行動は分かっているつもりなんだけどな…』

石川は用意周到な恋人の顔をじっと見てそんな事を考える…
一方、ジッと見られる方はというと…

『何だろう？…見つめ過ぎですよ…悠さん…』

綺麗な恋人にジッと見つめられ内心穏やかではなくなってくる…

『何か話題を…！！』

そう思い、ふと。先ほど恋人から貰ったチョコケーキがテーブルの上に置いてあるのを見つけた。

「悠さん。あのケーキ食べませんか？」
「うん？」
「えーっと。『フォンダンショコラ』です。」
「あぁ。あれは、レンジで暖めるとまた。美味しいって…浅野が教えてくれたんだよ。」
「じゃあ、暖めましょうか？」
「うん。」

―チン―

レンジから先ほど嗅いだのと同じ良い匂いが漂ってくる―

「やっぱり美味しそう！」
「そうか？」
「えぇ。悠さんの手作りっていうポイントも高いです。」
「何だソレ？」

岩瀬の訳の分からない力説に石川は苦笑する。が、ヤハリ恋人にココまで喜ばれると嬉しくなってくる…
岩瀬は最後の一つになったケーキと暫しニラメッコをし…

「半分こしますか？」
「うん。」

そう言って、石川はケーキを手に取り半分に割る…
当然、暖められたチョコは蕩けていて…

「うわ！」
「悠さん!?　大丈夫ですか？」

チョコが石川の手に、指についていた。

「あーあ。チョコが…」
「…悠さん、もしかして酔ってます？」
「そんなことはないぞ？」

と、答える石川の顔はホンノリ赤く…

『絶対、酔ってるよ…』
岩瀬はそんな恋人の様子に苦笑しつつ
石川の手を掴み、流れ出たチョコを口で舐め取る―

始めは只、普通に。
でも、次第に手を。指を。舐める行為は意味を持ち始めて…

「…ン…。もう、いいよ…基寿」
「ダメですよ。まだ、指についてます…」
「ダメだって…。」
「…そう思ってないのに…？」

岩瀬は感じ始めた石川の顔を見て更に指を舐める―　
石川は指先に感じる岩瀬の舌と。目の前で行われている行為から目が離せない…

「…基寿…。やめ…」

最後まで言葉は出なく…
石川は岩瀬に激しく口付けられる

「ん…ふぅっ…」

甘く激しく何もかも奪うような口付けに石川は酔いしれる

「悠さん…　いいですか？」

今更、確認してくる恋人に石川は自ら口付ける事で答えにした


「あぁ…ん！…もとひさ」

口で。舌で。指先で。後ろを解され、蕩けさせられる
最初は慣れない感覚に戸惑いを感じていたが…
己の中をかき乱す指先の感覚に戦慄き、体が震える
次第に指が増やされ…

「あ…　もう…」

あと少し…というところで指が抜かれる

「…もとひさ…？」

恋人を見る目に『なんで？』という思いが浮かんでいる…
それに岩瀬は苦笑で答え

「悠さん…お願いが…」
「…ん…　なに？」
「口でしてくれませんか…？」
「…！…」

岩瀬の唐突なお願いに石川は一瞬驚き…

「いいよ」

そう言って岩瀬のモノに口を寄せた

「ふぅ…ん…」

石川の口に収まりきらないモノを丹念に舐め、手で擦る
たどたどしい舌使いに。手の動きに。岩瀬の息も上がってくる…

「くっ……悠さん…もう…」

そう言って岩瀬は石川の頭を離し石川の体にのしかかる
そして―
十分に解された秘所へ一気に己を突き立てる

「あああぁ…や…あ…」
「きつ…悠さん…力抜いて…」

突然の挿入に石川の体がついてこない…
強張る石川自身に指を絡め…快楽を促す
すると、次第に強張っていた体から力が抜け…　
自ら腰をくねらせる

「あぁん…もとひさ…」
「はるかさん…」

もう既に限界が近い―

「はるかさん…一緒に…」
「んん…もとひさぁ…」

一段と激しくなる動きに翻弄され。二人で絶頂へと駆け上る…

「はるか…！」
「…もとひさ…あぁぁ…！」

石川は最奥に岩瀬の熱い飛沫を感じ　己も開放したのだった―





15日　AM 9：30


「お早うございます。悠さん」
「…おはよう…」
「今日もいい天気ですよ？出掛けませんか？」
「うん。…そうだな」
「俺からのプレゼントはこれからですよ？」
「…期待してるよ」

そう言って石川はバスルームへと向かっていく。痛む腰を抱えながら…
そして、振り向いてこう言ったのだった。

「今日は加減しろよ…」

そして、バスルームへと消えていった―

「…悠さん…？」

そこに珍しく顔を真っ赤にした岩瀬の姿があった―

恋人達のバレンタインはまだこれからだった。

- 了 -

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…18禁ぐらいを目指して挫折しましたよ…
そして、何だか続きそうな終わり方ですが続きません（笑）
きっとこの後もラブラブで過ごしたことでしょう。
緊急企画もこれで終了です。
お付き合い有り難うございました！

06.02.13